第96号自然3分閲覧 36
発行 · 雑学書庫 別館
凍った道にまいた塩、本当に氷は溶けるのでしょうか?
白い粒をまくと、滑りやすかった道の様子が変わって見えます。
道の氷に塩をまくと、溶けることが多いです。塩が溶けてできた塩水は真水よりも低い温度にならないと凍り始めないので、同じ寒さでも氷が水に変わりやすくなります。
凝固点が下がります
氷の表面には、とても薄い水の膜があります。塩をまくとまずその水に溶けて塩水になり、塩水の凝固点は0℃より下がります。そのため氷の温度がまだ0℃より低くても、塩水に触れた氷は溶けてさらに水を生み、その水にまた塩が溶けます。
かんたんに言えば、水が再び氷にくっつこうとする道を塩の粒がふさぐようなものです。溶ける速さはそのままで、再び凍るほうが遅くなるので、全体として氷が減っていきます。
熱を出して溶かすのではありません
塩が水に溶けるときに熱を出し、その熱で氷を溶かすと思っている人も多いです。Scientific Americanも最初はそう説明しましたが、読者の指摘を受けて訂正しました。モントリオール大学のアーサー・ペルトン教授の説明によると、塩が溶ける過程は全体として、むしろ熱を吸収します。コップの水に塩を入れて混ぜてから指を入れると、少し冷たくなったのがわかります。
寒すぎると効きません
塩をいくら多く入れても、凝固点を限りなく下げることはできません。塩をめいっぱい溶かした水も、およそ−18℃あたりで凍ります。実際の道では、それよりずっと早く効き目が落ちます。米ミネソタ州汚染管理局の資料では、路面が−1℃ほどなら塩1ポンドが5分で氷46ポンドを溶かしますが、−9℃ほどでは1時間で6ポンドあまりしか溶かせません。
そのため、もっと寒い日には−29℃ほどまで効く塩化カルシウムを使ったり、溶かしはしないものの滑りを減らす砂をまいたりします。
たくさんまけば安全とは限りません
足元で塩がジャリジャリ鳴ると安心しますが、多くまくほど安全というのは誤解です。同じ機関は、コーヒーマグ1杯(約340g)で長さ6mほどの車庫前の道や歩道ブロック10枚分を処理できると案内しています。余った塩は雨水に流されて川や湖に入り、小さじ1杯で約19Lの水を永久に汚染するといいます。
家の前の氷は、まず掃いて削り取ってから、本当に必要な場所にだけ均一にまきます。乾いた地面に残った粒は集めて次に使います。
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塩は水の凝固点を下げて氷を溶かします。路面が−9℃ほどより冷たいと効き目が大きく落ち、多くまいても安全になるわけではありません。
まとめ・参考メモ · Scientific American·ミネソタ州汚染管理局. Scientific American「Why do we put salt on icy sidewalks in the winter?」(ペルトン教授の訂正解説)と米ミネソタ州汚染管理局(MPCA)の「Deicer fact sheet」・冬の塩の使い方案内を参考にしました。華氏・ポンドの数値は概算で換算しています。
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