第110号自然4分閲覧 38
発行 · 雑学書庫 別館
夜になると、遠くからの音まではっきり聞こえます
昼より夜のほうがひときわ大きく聞こえるとき、静かさだけの問題ではないかもしれません。
夜になると、昼には聞こえなかった車の音や近所の話し声がはっきりしてきます。世の中が静かになったせいだけではありません。地面近くの空気が冷えると、音の通り道が下向きに曲がり、より遠くまで届くこともあります。
昼は音が上向きに曲がります
昼は日光が地面を暖め、地面のすぐ上の空気が上空より暖かくなります。音は暖かい空気の中をより速く進みます。そのため、地面に近い側が上の側より先に進み、音の向きが空のほうへ曲がります。
遠くへ行くと「音の影の領域」ができます。音の出ている場所が目で見えていても、音は上向きに曲がって進むため、耳に届きにくくなります。昼に遠くで鳴る音が思った以上に遠く感じられる理由の一つです。
夜は下向きに曲がって届きます
日が沈むと地面はすぐに冷え、その上の空気はしばらく暖かいまま残ります。下が冷たく、上が暖かい状態を気温の逆転と呼びます。このときは上側の音がより速く進むため、音の通り道が地面のほうへ曲がります。
キャンプ場で湖の向こうの話し声がはっきり聞こえたり、夜の列車の音が昼より近く感じられたりする場合には、この原理が関わっています。音そのものが大きくなったのではなく、同じ音が地表に沿ってよりよく伝わるのです。
静かだからだけではありません
よくある説明は「昼は騒音が多くてかき消される」というものです。それも正しい説明です。車や工事、話し声が減ると、小さな音との対比が大きくなって、より聞こえやすくなります。耳が「聞く準備」を整える面もあります。
ただし、対比だけですべてを説明できるわけではありません。同じ距離でも、夜は昼より音が遠くまで届く現象は、空気の温度が高さごとに異なり、音の曲がる向きが変わることとも重なって起こります。風向きも、音を運んできたり、押しやったりします。
どこでよく聞こえるのでしょうか
晴れて風の弱い夜、平地や水上のように障害物の少ない場所では、気温の逆転が生じやすくなります。雲が多かったり風が強かったりすると、空気が混ざって逆転が崩れやすくなります。冬の晴れた夜に、よりよく感じられるのもこのためです。
窓を少し開けると、特定の方向の音がよりはっきり聞こえることもあります。昼には聞こえなかった音が夜だけ気になるなら、「誰かが前よりうるさくなった」というより、音の通り道と対比が変わったのかもしれません。
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夜の音は、騒音が減るからだけでなく、気温の逆転によって音の通り道が下向きに曲がり、より遠くまで届くこともあります。
まとめ・参考メモ · 中国科学院声学研究所・ブリタニカの屈折解説. 昼の気温減率では音が上向きに、夜の気温の逆転では下向きに曲がる(IOA CAS)。ブリタニカ Sound/Refraction。NOAAも逆転時に雷鳴の伝わり方が強まることを説明。風や地形の効果は事例ごとに異なる。
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