第85号自然3分閲覧 28
発行 · 雑学書庫 別館
晴れた日の朝に、かえって霧が出るのはなぜ?
雲ひとつない夜が明けると、川辺が真っ白に覆われています。天気がいいのに、なぜでしょう?
秋の朝の霧をつくるのは、晴れた夜です。雲がないと、地面は一晩中、空へ熱を逃がして冷え、地面のすぐ上の空気も一緒に冷えることで、その中の水蒸気がとても小さな水滴に変わります。
地面に降りてきた雲
霧は、地面の高さにできた雲だと考えればよいでしょう。イギリス気象庁は、水滴のせいで見通せる距離が1,000m未満になると霧、それより遠くまで見えればもや(薄い霧)と区別しています。100m先も見えないほど濃くなると、交通に大きな支障が出ます。
空気は暖かいほど多くの水蒸気を含むことができます。そのため同じ空気でも温度が下がると、含みきれなくなった水蒸気が水滴になって出てきます。冷たいコップの外側に水滴がつくのと同じことが、空気の中で起きているわけです。
曇った夜にはできにくい
曇った夜は、雲が布団のように地面の熱を閉じ込めるので、地面があまり冷えません。風もちょうどよくなければなりません。イギリス気象庁によると、風が弱すぎると霧の代わりに露ができ、強すぎると冷たい空気が上の空気と混ざって気温があまり下がらないそうです。だから、空が晴れて風の穏やかな夜の翌朝に霧がよく出ます。
川辺や谷で特に濃いのは、重い冷たい空気が低い場所へ流れ込んでたまり、水辺は水蒸気も豊富だからです。空気に水蒸気が多ければ、気温が少し下がるだけで水滴ができます。
かすんだ朝は微小粒子のせい?
かすんだ朝を見て、PM2.5などの微小粒子がひどいと思う人もいますが、霧をつくっているのは水滴です。ごく小さな乾いたちりの粒が浮かんでかすんで見えるものは、煙霧(ヘイズ)と呼んで区別します。
ただ、両者がまったく無関係というわけではありません。イギリス気象庁は、汚染粒子の多い工業地帯では水滴がまとまりやすく育ちやすいため、最も濃い霧が出やすい傾向があるとしています。それでも霧の日がそのまま空気の悪い日とは限らないので、空気の質が気になるなら、空の色より微小粒子の予報を見るほうが確かです。
霧の朝の道で
こうした霧はふつう、日が昇ってしばらくすると晴れます。日差しで地面が温まると、水滴が再び水蒸気に戻るからです。ただし冷たい空気がたまった谷では、風のない日に長く居座ることもあります。
晴れた秋の夜の翌朝に川沿いの道や橋を通るなら、霧を前もって予想しておきましょう。前が見えにくいときは速度を落とし、前の車との距離を十分にとり、ヘッドライトはロービームにするのが基本です。ハイビームは光が水滴に散らばり、前がかえって白く見えてしまいます。
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晴れて風のない夜に地面が冷えると、その上の空気に含まれる水蒸気が水滴に変わり、朝の霧になります。
まとめ・参考メモ · Met Office「What is fog?」. 霧ともやを分ける基準(1,000m)、晴れた空・ほどよい風・水蒸気という条件、谷の霧、汚染粒子と濃い霧、煙霧との違いはイギリス気象庁の説明に基づいています。ここでは夜間に地面が冷えてできる放射霧だけを扱います。
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