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発行 · 雑学書庫 別館
コインが五回連続で表、次は裏の番でしょうか?
同じ面が続けて出るとき、頭の中でどんな計算が起きているのか、たどってみましょう。
コインを五回投げてすべて表が出ても、次に裏が出る確率は、やはり半分です。コインにはそれまでの結果を覚えておくすべがないので、毎回初めからやり直しです。それでも「今度は裏の番」という気が強くするのは、私たちの頭が短い記録の中でもバランスを見つけようとするからです。
コインは覚えていません
投げる前に、五回連続で表が出ると当てる確率は32分の1と低いものです。だから、その場面を見ると、そろそろ何かのつじつまが合いそうな気がします。でも、すでに五回の結果が出たあとに残る問いは六回目の一投だけで、その一投で表と裏が出る確率は半々です。過去の結果が次の結果を変えると信じる思い違いを「ギャンブラーの誤謬」と呼びます。1913年、モンテカルロのカジノでルーレットの球が黒に26回続けて止まると、今度こそ赤だと賭け金を増やした人たちが大金を失ったという逸話が伝わっています。
バランスは追いつくのではなく、差が薄まるもの
よくある誤解は、「たくさん投げれば結局は半々になるのだから、出遅れた裏が追いつくはずだ」という考えです。たくさん投げるほど表の割合が半分に近づくのは確かです。ただし、それは裏がわざと多く出るからではなく、最初の五回分の差が、その後の数千回の中に混ざって薄まるからです。さらに1,000回投げれば、五回分の差は全体の割合ではほとんど見えなくなります。
連続は思うよりよく起こります
人にコインを100回投げた結果を作ってもらうと、表と裏を頻繁に切り替えすぎる傾向があります。実際に100回投げると、同じ面が五、六回続く区間が出てくるのが普通です。数学者マーク・シリングの計算では、100回のうち最も長い連続は、たいてい6〜7回前後です。五回連続は、コインがおかしいという兆候というより、ランダムな結果にはもともと偏りやむらがあることの証拠に近いのです。
本物のコインには小さな癖があります
実際のコインには、ごく小さな癖があります。2023年に研究チームが35万回以上投げてみたところ、投げる前に上を向いていた面が再び出た割合は約50.8%でした。手で投げるときにコインが傾いて揺れながら回転するためで、それまでに出た結果とは関係ありません。この癖も人によって程度が違い、練習するほど小さくなりました。「最近出ていない番号」や「今度は自分の番」といった言葉を聞いたら、この点を思い出してみてください。互いに影響し合わない出来事なら、過去の記録は次の一回の確率を変えられません。
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互いに影響し合わない試行なら、同じ結果が何回続いても、次の一回の確率は変わりません。
まとめ・参考メモ · トヴェルスキー・カーネマン/バルトシュほか. トヴェルスキー・カーネマン 1974(ギャンブラーの誤謬)、シリング 1990(最長の連続)、バルトシュほか 2023(350,757回のコイントス、開始時の面が出る割合は約50.8%)。モンテカルロでの1913年の26回連続は、広く伝わる逸話です。
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