第82号技術3分閲覧 38
発行 · 雑学書庫 別館
モニターをスマホで撮ると、なぜ波模様ができるのでしょうか?
目で見ると何ともなかった画面が、写真ではしま模様だらけ。スマホの故障でしょうか?
モニターの画面をスマホで撮るときにできる波模様は、故障ではありません。画面の細かな点の配列と、スマホのカメラセンサーの細かなマスの配列が少しずれて重なることで生まれる模様で、モアレと呼ばれます。
細かな二つの格子が重なるとき
モニターには、とても小さな光の点が碁盤の目のように並んでいて、スマホのカメラセンサーにも、光を受ける小さなマスが碁盤の目のように配置されています。二つの格子の間隔や角度がほぼ同じでもぴったり合っていないと、点とマスが重なるところと、ずれるところができます。
重なったところは明るく、ずれたところは暗く写るため、もとの画面にはなかった太いしまが写真に現れます。網戸の網を二枚重ねて見ると、大きな波模様が見えるのと同じことです。
目にはなぜ見えないのか
私たちの目の視細胞は、カメラセンサーのように整った碁盤の目の形には並んでいません。そのため、画面の点と規則的にずれることが少なく、模様ができません。同じ理由で、チェック柄のシャツがテレビに映ると服の上でしまが揺らめくこともあるため、テレビに出る人は細かな柄の服を避けるように言われることがあります。
良いカメラなら出ないのでしょうか
画素数の低いスマホだからだと思いがちですが、高価なカメラでも起こります。アドビは、解像度がとても高い写真でも、模様と角度がぴったり合うとモアレが出ることがあると説明しています。
そのため多くのデジタルカメラは、センサーの前に光学ローパスフィルターという薄い層を置き、センサーがうまく写せないごく細かい模様をわざと少しぼかしています。ニコンは、このフィルターを省いたD800Eは少しシャープになる代わりに、フィルターのあるD800よりモアレが出やすいと案内しています。シャープさと波模様をてんびんにかけているわけです。
波模様を減らす撮り方
スマホを少し斜めに傾けたり、画面から少し離れたり近づいたりすると、二つの格子のずれ方が変わって模様が薄くなります。指で少し拡大して撮ったり、ピントを画面から少し外したりするのも効果的です。
講義のスライドやテレビの字幕を残したいときに試してみてください。雑誌の写真をスキャンするときも、印刷の点とスキャナーのマスが重なって同じ模様ができるため、スキャナーのソフトにモアレを消す機能が入っていることもあります。自分のスマホやパソコンの画面なら、スクリーンショットを撮るのがいちばんきれいです。
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画面を撮った写真の波模様は、画面の点とカメラセンサーのマスがずれて重なることでできるため、角度や距離を変えると減らせます。
まとめ・参考メモ · Moiré pattern (Wikipedia) · Nikon · Adobe. 二つの格子が少しずれて重なるときにできる干渉模様という説明と、テレビ画面・柄物の服の例はWikipedia、光学ローパスフィルターとD800・D800Eの比較はニコン「Moiré & False Color」、高解像度でも起こるという点はアドビの案内に基づいています。目の視細胞の配列についての部分は一般的な説明です。
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