第39号自然3分閲覧 23
発行 · 雑学書庫 別館
濡れた石はなぜ色が濃く見えるのでしょうか?
同じ石なのに、水で濡らすだけで一段暗くなります。水が色を変えたのでしょうか?
濡れた石の色が濃く見えるのは、石の色が変わるからではなく、石に当たった光がより多く吸収されるからです。表面を覆う薄い水の膜が光を再び石のほうへ戻し、水で埋まったくぼみは光をあまり散らさず、石の中へ通します。
乾いた石は光を散らします
乾いた石の表面は、小さなくぼみや粒でざらざらしています。空気と石が接する境界ごとに光が四方へ跳ね返り、そのうちかなりの量が吸収される前にそのまま目に戻ってきます。そのため、乾いた石は白っぽく、淡い色に見えます。
水がくぼみを埋めると、境界が空気と石から、水と石へと変わります。水と石は、光が曲がる度合いが空気と比べて互いに近いため、光が散りにくくなり、石の奥へより多く入ります。奥まで入った光は、石の成分に吸収される機会が増えます。
薄い水の膜が光を閉じ込めます
1925年にスウェーデンのオングストロームが示した考えを、1988年にニュージーランドのビクトリア大学のレクナーとドルフが計算によって精緻化しました。ざらざらした石は光をさまざまな方向へ斜めに送り出しますが、水の膜の上側の水面に浅すぎる角度で当たった光は、空気中へ出られず、再び下へ反射されます。これを全反射といいます。
戻された光はもう一度石に当たり、そのたびに一部が吸収されます。何度か行き来するうちに目に届く光が減り、石の色が濃く見えます。二つの効果を組み込んだ計算は、実際の測定値とよく一致しました。
水が光を吸収するわけではありません
水が光を吸い込むために暗くなると考えがちですが、薄い水の膜は光をほとんど吸収しません。光を吸収するのは石そのもので、水は光が石にとどまる時間を長くしているだけです。そのため、乾けば元の色がそのまま戻ります。
同じ理由で、石がざらざらしているほど違いが大きく、ガラスや滑らかに磨いた石のように均一な表面は、濡れてもほとんど変わりません。滑らかな面は鏡のように光を一方向へ跳ね返すため、水の膜に閉じ込められる光が少ないのです。
水で濡らして色を見ます
水で濡らすと、表面で白っぽく散っていた光が減り、色がより濃く鮮やかに見えます。石を磨いてつやを出した面の色が濃く見えるのも、表面で散る光が減るためです。そのため、床に敷く石や水石を選ぶときに水を軽くかけてみると、つやを出したときの色をある程度前もって見当づけられます。
砂浜で波が届く場所だけが暗く見えることも、Tシャツに水がはねたところだけ色が濃くなることも、同じ現象です。濃い跡が残っていれば、そこはまだ乾ききっていないという印でもあります。
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濡れた石の色が濃いのは、水の膜に閉じ込められた光を石がより多く吸収するからです。表面がざらざらしているほど違いが大きくなります。
まとめ・参考メモ · Lekner・Dorf 1988 Applied Optics・Twomeyほか 1986. オングストロームによる1925年の水の膜での全反射の説明を拡張し、測定値と一致させたモデルです。水が光をより前方へ散乱させて奥へ送り込む効果を、より大きく捉える説明もあります。
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