第88号科学3分閲覧 32
発行 · 雑学書庫 別館
同じ雲なのに、雨雲はなぜ真っ黒なのでしょう?
飛行機の窓から見下ろすと、雨雲はまったく違う色に見えるそうです。何が違うのでしょう?
雲が白いのは、雲の中の水滴が太陽光のあらゆる色をほぼ同じように散乱させるからです。雨雲が真っ黒に見えるのは、雲の色が変わったからではなく、雲が厚く、底まで太陽光がほとんど届かないからです。
空は青いのに雲が白いのは
晴れた空が青いのは、空気の粒がとても小さく、ほかの色よりも青い光を多く散乱させるからです。雲の中の水滴はそれよりずっと大きく、赤、緑、青を区別せず、ほぼ同じように散乱させます。
たくさんの水滴に当たってあちこちに跳ね返った光が再び混ざると、もとの太陽光のように白くなります。そのため、雲は空の青色には染まらず、太陽光の色をそのまま見せてくれるのです。
厚いほど底が暗くなります
雲の中で散乱した光は、主に上や横へ再び抜けていきます。そのため、頂上や側面は明るく、底にはあまり光が届きません。雨雲は高く積み重なって厚く、水滴も大きく数が多いため、底まで届く太陽光がずっと少なくなります。雨が降る直前に大きくなった水滴は、光を少しずつ吸収することもあるため、さらに暗く見えます。
地上から見上げる私たちは、まさにその陰になった底を見ているわけです。
上から見れば、やはり白いのです
飛行機で雲の上に出ると、雨雲でもてっぺんはまぶしいほど白く見えます。太陽の光を正面から受ける側だからです。同じ雲が、下からは真っ黒に、上からは白く見えるのです。
曇りの日に見える灰色の雲は、雲そのものが灰色だという意味ではなく、私たちがその雲の影の側に立っているという意味です。散歩中に雲の底がだんだん濃くなってきたら、雲がそれだけ厚く育っているということなので、傘を用意する合図にするとよいでしょう。
灰色の雲はほこりのせい?
真っ黒な雲を見ると、ほこりや煙がたくさん混じっているように思えますが、灰色に見えるおもな理由は厚さです。アメリカ海洋大気庁(NOAA)は、雲が厚くなるほど通り抜ける日光が減り、灰色に見えると説明しています。ほこりやもやは雲を黄色や赤に染めることはあっても、雲を真っ黒にする主な原因ではありません。
目の錯覚も関係しています。明るく輝く空やほかの白い雲を背景にすると、少し暗いだけの雲でもかなり暗く見えます。太陽が低い朝夕には、青い光が長い道のりの途中で散らばってしまい赤い光が残るため、雲もその光を受けてオレンジ色に染まります。
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雨雲の真っ黒な色は、雲そのものの色ではなく、厚い雲の底にできた陰なのです。
まとめ・参考メモ · Met Office「Why are clouds white?」· NOAA JetStream. 雲の底が暗い理由と上から見た白いてっぺんはMet Office、厚さと灰色・ほこりによる色・明るい背景による錯覚はNOAA JetStream「The Color of Clouds」に基づいています。水滴が大きくなると吸収がどれだけ増えるかは雲によって異なります。
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