第99号技術3分閲覧 40
発行 · 雑学書庫 別館
ダークモードを使うと、バッテリーは本当に減りにくくなる?
画面を暗くするとバッテリーが長持ちしそうという話、どのくらい正しいのでしょうか?
ダークモードを使っても、必ずバッテリーが減りにくくなるわけではありません。画面が「画素そのものが光る方式」か、「背後から光を当てる方式」かによって、効果が分かれます。同じチャットアプリを暗いテーマに変えても、スマートフォンによって効果を実感できることもあれば、ほとんど感じられないこともあります。ですから、「ダークモードを使うだけで一日のバッテリー持ちがよくなる」という話は、半分だけ正しいといえます。
画素そのものが光る画面では
画素そのものが光る画面(OLED・AMOLED)では、真っ黒な画素はほぼ消灯した状態に近くなります。暗い背景が多ければ、画面の消費電力が減ることがあります。メッセージアプリを黒い背景で使うと、明るい白背景よりも画面の電力負担が小さくなるわけです。白い余白の多い記事や文書のアプリをダークテーマに変えるときも、同じような原理が当てはまります。
背後から光を当てる画面では
背後から光を当てる画面(LCD)では、表示内容が明るくても暗くても、バックライトが点灯し続けていることが多くあります。そのため、ダークモードに変えてもディスプレイの消費電力がほとんど変わらないケースがよくあります。「画面さえ暗ければ節電になる」という話は、この画面にはあまり当てはまりません。色だけが変わり、背後の光がそのままなら、バッテリー持ちの違いもほとんど実感できないことがあります。
研究が示した数値
ACM MobiSys 2021の研究とパデュー大学側の要約によると、OLEDでも普段の明るさ(自動輝度調整・室内)では、スマートフォン全体の消費電力の削減幅は、およそ数パーセントから十数パーセント程度と報告されています。画面だけを見れば削減幅はもっと大きく、明るさを最大にした状況では、ディスプレイの電力削減幅がはるかに大きく見積もられることもあります(報告によっては最大で約47%台まで)。逆に、ダークモードで文字が見えにくくなって明るさを上げると、効果が小さくなることがあります。
よくある誤解と日常でのヒント
「ダークモード=必ずバッテリーを節約できる」というのは、誇張に近い話です。自分のスマートフォンの設定やメーカーの案内で画面の種類を確認し、明るさを必要以上に上げないほうが、より直接的な対策になります。ダークモードは夜間の使い心地の好みにも応じて使うものなので、バッテリーだけで決める必要はありません。節電が目的なら、画面の種類・明るさ・使うアプリを併せて考えるのが現実的です。
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ダークモードによるバッテリー節約の効果は、画面の種類と明るさによって変わり、はっきりした効果が出やすいのはOLEDだけで、LCDではほとんどありません。
まとめ・参考メモ · ACM MobiSys · Ars Technica. パデュー大学の研究チームによるACM MobiSys 2021の論文(Zhaoほか)とArs Technicaの報道を参考にした。OLED画面ではダークモードによって画面の消費電力が大きく減るが、スマートフォン全体の削減幅は明るさやアプリによって異なり、LCDではほとんど差がない。
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