第101号科学3分閲覧 36
発行 · 雑学書庫 別館
北極星だけ、一晩中ほとんど動かないように見えるのはなぜ?
ほかの星は位置を変えるのに、北の空のあの星だけは、ひときわじっとしているように感じます。
北極星が一晩中ほぼ同じ場所にあるように見えるのは、その星だけが特別に止まっているからではありません。地球が回る軸を空へまっすぐ延ばすと、その方向の近くに北極星(ポラリス)があります。軸に近い星は、ほかの星のように大きな円を描かず、とても小さな円を描いて回るので、目にはほぼ固定されているように見えます。「絶対に動かない」というより、「動きが小さくて見えない」に近いのです。
地球が回る軸と空の点
夜空の星が東のほうから昇り、西へ沈むように見えるのは、実は地球が自転軸を中心に回っているからです。その軸を北の空へ延ばすと、「天の北極」という点に行き着きます。北極星はその点のすぐ近くにあるため、ほかの星が大きな円を描くときも、自分はほぼ中心付近にとどまっているように見えます。
メリーゴーラウンドに乗ると、外の景色は速く流れていきますが、真ん中の柱は比較的動きが少なく見えます。北極星も、その「真ん中」に近い位置にあります。南半球では、現在、南の空の軸の近くに明るい「南極星」がないため、北のように一つの星を頼りに方角をつかむのは難しい、ともよくいわれます。
完全に固定されているわけではありません
精密に見ると、北極星も天の北極とぴったり重なっているわけではありません。そのため、長時間露光の写真やタイムラプスでは、とても小さな円を描く様子が捉えられることもあります。肉眼ではその違いをほとんど感じられないので、「一晩中同じ場所」にあるように感じるのです。
もう一つ、よくある誤解が「北極星は永遠に北極星」というものです。地球の自転軸は、こまのように傾きの向きがとてもゆっくり変わる歳差運動をしていて、その周期はおよそ2万6千年とされています。そのため、昔は別の星が北極星の役割を果たし、遠い未来には、また別の明るい星がその位置を引き継ぎます。私たちが見ている「固定」は、一日や一生という時間の尺度での話なのです。
日常ではどう見ればいい?
北を探すときは、北斗七星のひしゃくの先端にある二つの星を結び、その間隔のおよそ五倍の距離まで延ばすと北極星の近くにたどり着く、という案内がよくあります。街明かりの下では、北極星そのものがそれほど明るくないため、見つけにくいこともあります。暗い場所で、ゆっくり北の空を見るほうがよいでしょう。
旅行やキャンプで「北さえわかれば、おおよその方角がつかめる」と感じられるのは、この位置関係によるものです。ただし、方位磁針は磁北極を指し、北極星は地理的な北(自転軸の方向)に近い、という点も覚えておくと混乱が減ります。二つをまったく同じものだと思わなければよいのです。
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北極星がじっとしているように見えるのは、地球の自転軸の方向に近い位置にあるからで、永遠に固定された星というわけではありません。
まとめ・参考メモ · NASA Science · EarthSky. NASA Science「What is the North Star…」(軸の方向・天の北極への近さ)・EarthSky(約0.65°のずれ・小さな円)・StarChild/GSFC(歳差は約2万6千年、ベガなど)。南半球には明るい南極星がない。肉眼・都市の光害による限界。
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