第220号自然3分閲覧 72
発行 · 雑学書庫 別館
氷は透明なのに、雪はなぜ白いの?
雪の粒ひとつはガラスのように透明なのに、積もると白く見えます
雪は氷でできていて、氷のかけらは透明なのに、積もった雪は白く見えます。雪の中で光が何度も跳ね返り、すべての色が混ざって出てくるからです。
粒ひとつはガラスのように透明
雪の結晶を近くで見ると、白い粉ではなく透明な氷の結晶です。白い絵の具が入っているわけではなく、結晶ひとつひとつはガラスのかけらのように澄んでいます。冷凍庫から出した氷の塊が透明なのと同じ素材です。
ただ、氷の塊は中がひとつにつながっているので、光はほとんどそのまま通り抜けます。雪は小さな結晶が無数に集まり、そのすき間に空気が入っています。この違いが色を分けます。氷を木づちで細かく砕くと、透明だった塊がたちまち白くなるのも同じ違いです。
光が跳ね返って混ざります
光は氷と空気の境目を通るたびに、一部は反射し、一部は曲がって中へ入ります。雪の中にはこうした境目が数えきれないほどあるので、光はあちこちで跳ね返り、大部分がやがて外に出てきます。このとき氷は、目に見える光を色に関係なくほぼ同じように跳ね返します。すべての色が同じような割合で戻ってくると、人の目には白く見えます。南極の表面の雪は、波長によって見える光の96〜99%を跳ね返すそうです。ほとんどすべてを返す計算ですね。
割れたガラスのかけらが白く見えるのも同じ理由です。ひびの入った氷の塊で、ひびの部分だけが白く見えるのも同じことです。透明な面が何枚も重なり、そのあいだに空気があると、色のない白い光になります。
雪の奥深くは青みがかります
氷は赤い光を青い光よりほんの少しだけ多く吸収します。雪の表面近くでは、光が数回跳ね返って出てくるだけなので、この差は表に出ません。けれど約1メートルの長さを通ってきた光には、青が多く残ります。雪に深い穴を掘って中をのぞくと、青っぽい光が見えることがあるのはそのためです。
ですから雪の色を決めているのは色素ではなく、光が通ってきた道のりです。表面は白く、とても深いところでは青い光が混ざります。古くなって粒が粗くなった雪は光をあまり返さないので、新しい雪より少し白さが落ちて見えるようです。
雪が白いのは色素のせいではなく、透明な氷の粒の間で、すべての色の光が均等に跳ね返って出てくるからです。
まとめ・参考メモ · NSIDC Science of Snow、Caltech 雪結晶FAQ. NSIDC「Science of Snow」、Caltech「Snow Crystals FAQ」、Phil. Trans. R. Soc. A 377(2019)「Optical properties of ice and snow」。青みは約1m以上の深い雪や厚い氷で現れます。
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