第210号自然4分閲覧 81
発行 · 雑学書庫 別館
雨雲はなぜ白い雲より暗く見えるのでしょう?
同じ水滴でできた雲なのに、厚さが色を変えています
白いわた雲と雨を含んだ灰色の雲は、実は同じ材料でできています。どちらもとても小さな水滴や氷の粒が集まったかたまりです。色が違って見えるのは、雲がどれくらい厚いか、そして私たちが雲のどちら側を見ているかによって、日光の届き方が変わるからです。
白はすべての光が混ざった色
日光には赤から紫までさまざまな色が混ざっています。雲の水滴は直径がおよそ0.01mm前後で、目に見える光の波長よりずっと大きいです。これほど大きな粒はすべての色の光をほぼ同じように散らし、均等に混ざった光は私たちの目に白く見えます。
晴れた空が青いのはその逆です。空気の分子は光の波長よりはるかに小さいので、青い光をほかの色より強く散らします。だから青空を背景に白い雲がくっきりと浮かんで見えるのです。
厚いほど底が暗くなります
雨雲はふつう数キロメートルにもなるほど厚く、水滴もぎっしり詰まっています。日光は雲の中で水滴にぶつかって向きを変えることを数えきれないほど繰り返し、その多くが上や横へ抜けていきます。地上から見上げる雲の底まで届く光が少ないので、灰色や墨色に見えるのです。雨が降る直前には底の近くの水滴が大きくなり、光を散らすよりも多く吸収することもあります。
同じ雨雲も飛行機から見下ろすと、上の面はまぶしいほど白いです。雲の色が変わったのではなく、日光が入ってくる側から見るか、その反対側から見るかの違いです。
灰色なら必ず雨が降る?
濃い灰色の雲はそれだけ水がたくさん集まっているということなので、雨を連れてくることが多いです。でも、いつもそうとは限りません。周りがとても明るい空や白い雲だと、その手前の雲が実際より暗く感じられることもあり、薄い雲の向こうに空が透けてくすんで見えることもあります。逆に厚い雲でも、水滴が雨粒ほど大きく育たなければ雨は降りません。
雲の名前にもこうした観察が込められています。1803年、イギリスのルーク・ハワードは雲を分類する際、雨を降らせる雲にラテン語のnimbusを付けました。今も使われる乱層雲(nimbostratus)と積乱雲(cumulonimbus)という名前はここから続いています。雲の色と合わせて、底が低く広く広がっているかを見ると、雨を予想しやすくなります。
雲の色を決めるのは材料ではなく厚さと見る向きで、濃い灰色は水がたくさん集まったしるしです。
まとめ・参考メモ · 英国気象庁・香港天文台・米国NOAAの雲の色の解説. 水滴がすべての色を均等に散らすので白く、厚い雲は底まで光が届きにくく灰色になるという説明。明るい背景との対比で暗く感じることもあり、灰色の雲が必ず雨を意味するわけではない。
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