第236号自然3分閲覧 49
発行 · 雑学書庫 別館
ホタルはどうやって自ら光る?
お腹で火が燃えているのではなく、物質・酵素・酸素の反応による冷たい光です。
ホタルのお腹がきらきら光るのは、火が燃えているからではありません。お腹の下側の発光器官で、光をつくる物質と酵素が酸素と出会い、化学反応で光を出します。熱はほとんど出ない「冷たい光」です。夜空を横切る小さな懐中電灯のように見えても、仕組みはまったく違います。
お腹の下で化学反応が起きる
ホタルのお腹の下側には光を出す器官があります。その中でルシフェリンという物質が、ルシフェラーゼという酵素と酸素と出会うと光が出ます。名前は一度覚えれば、あとは「光をつくる物質と酵素」と考えて大丈夫です。
ナショナルジオグラフィックの案内では、ホタルは特殊な細胞で酸素とその物質を結びつけて、ほとんど熱なしで光をつくると説明しています。サイエンティフィック・アメリカンも、酸素・カルシウム・ATPなどが関わるとしています。材料が混ざるときにエネルギーが光として解き放たれる、というたとえが分かりやすいです。電球のように熱くならないので、小さな体でも安全に輝けます。
火ではなく冷たい光
電球は光と一緒に多くの熱を出しますが、ホタルの光はエネルギーのほとんどが光に変わる「冷たい光(生物発光)」です。スミソニアン海洋の案内も、光をつくる物質が酸素と反応すると光が生じると整理しています。海の一部の生き物も似た生物発光を使いますが、ホタルはお腹の発光器官でその反応を細かく調節します。
だから「お腹で火が燃えている」という言い方は合いません。炎のように焦げたり熱くなったりするのではなく、体の中の化学反応が光に変わるのです。効率がどれほど高いかは、資料によって90パーセント前後など表現が少し違います。
点滅は種ごとの信号
光はたいてい配偶者を探す信号です。オスが自分の種特有の点滅パターンを送り、メスがそれに合わせて答えます。種ごとに点滅の間隔や長さが違うので、同じ夜に複数の種がいても取り違えにくくなります。種ごとに違うモールス符号を使うイメージに近いです。
幼虫が光る場合は、捕食者への「まずい」という警告だと見る説明も多いです。ナショナルジオグラフィックは、成虫の点滅が求愛信号であり、まずいという警告でもあり得ると記しています。点滅のオン・オフの細かい調節は、研究ごとに言い方が少し違います。
ホタルの光はお腹の火ではなく、物質・酵素・酸素がつくる冷たい光です。
まとめ・参考メモ · National Geographic·Scientific American·Smithsonian Ocean. ナショナルジオグラフィックのホタル案内(腹部発光器官・ルシフェリン・ほぼ無熱の光・種ごとの点滅・求愛と警戒)、サイエンティフィック・アメリカン(酸素・カルシウム・ATP・ルシフェリン・ルシフェラーゼ、冷たい光、酸素供給による点滅調節・一酸化窒素の研究)、スミソニアン海洋の生物発光概要(ルシフェリン・酸素・ルシフェラーゼ)を参照。効率の数値(90パーセント前後など)や点滅調節の細部は資料・研究で表現が異なります。すべての種が同じパターンではありません。
確認クイズ