第235号言語3分閲覧 41
発行 · 雑学書庫 別館
消しゴムはどうやって鉛筆の字を消すの?
消しゴムは字を溶かすのではなく、紙の上の黒鉛の粉をつかんではがし取っています。
消しゴムでこすると鉛筆の字が消えますよね。でも、消しゴムが字を溶かしたり消滅させたりしているわけではありません。紙の表面にのっている黒鉛の粉を紙よりも強くくっつけて、消しかすと一緒にはがし取っている、というほうが近いのです。
鉛筆の字は紙の上にのっている
鉛筆の芯は、黒鉛と粘土を混ぜて焼いたものです。黒鉛は薄い板が何層にも重なった構造なので、紙にこすりつけるとごく小さなかけらが簡単にすべり落ちます。そのかけらが紙の繊維のざらざらした表面に引っかかって残ったものが、鉛筆の字です。
大事なのは、黒鉛が紙の中にしみ込まないことです。ほとんどは繊維の上やすき間にゆるく引っかかっているだけ。だから手でこすってもにじみますし、もっとくっつきやすいものが来ればそちらへ移りやすいのです。
消しゴムが粉を連れていく
消しゴムでこすると、摩擦で表面が少しずつすり減って消しかすができます。消しゴムの素材は黒鉛のかけらによくくっつくので、紙に引っかかった粉を引き寄せ、消しかすの中に包み込みます。消しかすが黒っぽくなるのはそのためです。払いのければ、黒鉛も一緒に片づくわけです。
ゴムで鉛筆の跡が消せることは、1770年ごろイギリスで知られるようになりました。化学者ジョゼフ・プリーストリーがこれを紹介し、器械商エドワード・ネアンが消し用のゴムを売ったという記録があります。それ以前はパンのかけらで消すこともあったそうです。今の白い消しゴムの多くは天然ゴムではなく、PVCのようなプラスチックにやわらかくする成分を混ぜた製品です。
ボールペンはなぜ消えないの
ボールペンや万年筆のインクは液体なので、紙の繊維の中にしみ込んで乾きます。表面にのった粉ではないため、消しゴムがつかめるものがほとんどありません。無理に消すなら紙の表面ごと削るしかありません。
鉛筆も強く押しつけて書くと消えにくくなります。黒鉛が繊維の奥まで押し込まれ、紙に溝までできるからです。濃い4Bのような芯は黒鉛が多くてにじみやすいものの、軽く書いた線なら比較的きれいに消せます。
消しゴムは紙の上にのった黒鉛の粉を紙より強くつかみ、消しかすに包んではがし取ります。しみ込んだインクが消えないのもそのためです。
まとめ・参考メモ · Science History Institute・Smithsonian・Scientific American. 黒鉛の層構造と消しかすの仕組みは一般的な説明です。1770年のプリーストリーの紹介・ネアンの販売、パンの話は伝わる記録で、細かな年代は資料により少し異なります。
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