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発行 · 雑学書庫 別館
スヌーズが10分でなく9分の理由
記録では確定せず、有力なのは1950年代の時計の歯車という説
アラームのスヌーズ間隔がよく9分である背景として最も広く知られているのは、10分ちょうどに合わせにくかった1950年代の機械式時計の歯車構造です。ただ、時計メーカー自身が残した説明は見つからないため、今も確定した事実というより、最もありそうな推測にとどまります。
時計が先、数字は後
アラームを止めたあと、決まった時間がたつと再び鳴らす仕組みは、1950年代初めからありました。1951年にアメリカでエドワード・ゴードンが取得した特許US 2,541,817は、分針の軸の歯車に歯のついた棒をかみ合わせ、棒がゆっくり上がってくるとアラームが解除される構造です。この特許文書に9分という数字は出てきません。
製品では、1956年のGEテレクロン「スヌーズ・アラーム」が最初の例としてよく挙げられます。9分ずつ3回延ばせば、7時のアラームは7時27分になる計算です。
歯が9枚という説
最も広まっている説はこうです。当時の目覚まし時計の歯車はすでに規格が決まっていて、スヌーズ用の歯車の歯もそれにかみ合う必要がありました。歯をもう1枚増やすと10分をわずかに超えてしまうため、「10分以上寝られた」という苦情を避けようと9枚にした、というわけです。これなら最短9分、最長でも10分以内に収まります。
この説はテレクロン時計の収集家が自分のサイトに書いた文章に由来し、書いた本人も「おそらくそうだったはず」という推測として述べています。会社の設計資料や発表で確認された内容ではありません。
最初は15分でした
同じサイトに転載された1956年2月の業界誌の記事には、この時計はアラームを止めてから約15分静かになると書かれています。収集家が持つ初期型を実際に計ると16〜17分でした。そのため設計を直して9分前後に縮めた、という見方もありますが、これも推測にとどまります。
1桁の数字で最大だから9分になった、という説も出回っています。しかし1956年の時計は数字表示ではなく針式なので当てはまらない、という指摘があります。報道によれば、iPhoneのアラームも初代から標準で9分で、iOS 26からは1〜15分に変更できます。実際の使い方は人それぞれで、スウェーデンの調査ではスヌーズ利用者1,195人の間隔の平均は8分でした。
9分は法則ではなく、記録が乏しいまま1950年代の時計の設計で説明される習慣です。
まとめ・参考メモ · Telechron.net、1951年特許、Willamette Week、Sundelin. Telechron.net(1956年の業界誌を引用)、特許US2541817、WW 2026コラム、Sundelinほか2024(睡眠研究誌)。9分の由来は確定した事実ではありません。
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