第207号暮らし4分閲覧 128
発行 · 雑学書庫 別館
ラーメンの鍋はなぜ水だけよりふきこぼれやすいの?
麺から溶け出したでんぷんが泡を丈夫にします
水だけならぐらぐら沸騰しても鍋からあまりあふれませんが、ラーメンやパスタを入れると、すぐに白い泡が盛り上がってふきこぼれてしまいます。原因は麺から水に溶け出したでんぷんです。でんぷんが泡を割れにくくしてしまうからです。
水だけの泡はすぐ割れます
お湯が沸くと、鍋の底で水蒸気の泡ができて上がってきます。水だけなら、この泡は水面に届いたとたんにぱちんと割れ、水蒸気だけが抜けていきます。水だけでは薄い膜が長く持たないからです。
麺を入れると話が変わります。小麦の麺の表面にあったでんぷんが熱湯に溶け出して水が少しとろりとし、このでんぷんが泡の表面を包んで膜を丈夫にします。割れない泡の上に新しい泡がどんどん重なるので、泡の山が鍋の壁をはい上がっていきます。牛乳がふきこぼれるのも似ていて、こちらは牛乳のたんぱく質が膜の役目をします。
木のスプーンが効くのは少しの間だけ
鍋の上に木のスプーンを渡しておくとふきこぼれにくい、という話があります。実際に効果はあります。乾いた木は熱を伝えにくいので泡より冷たく、表面には小さな穴がたくさんあります。泡が冷たいスプーンに触れると中の水蒸気が冷えて水に戻り、穴の多い表面が膜を乱すので泡が割れます。
ただし長くは続きません。スプーンが熱くなり、でんぷんの泡でぬれてしまうと、もう泡をうまく割れなくなります。だから試したけれど効かなかったという人もいます。金属のスプーンはすぐ熱くなるので、効果はさらに短いといわれます。
いちばん確実なのは火加減です
泡が上がり始めたときに火を少し弱めると、新しい泡ができにくくなり、泡の山はすぐに落ち着きます。ふたをすると中に熱がこもって泡が早く上がるので、麺を入れたあとはふたを少しずらしておくほうがよいでしょう。
水をたっぷり入れ、口の広い鍋を使うのも役に立ちます。水が多いとでんぷんがそれだけ薄まり、広い鍋では泡が積み上がる前に横に広がって、割れる場所が増えます。泡が上がってきたときにスプーンで一度かき混ぜたり、口でそっと吹いたりしても泡は下がります。息が泡の中の水蒸気を冷やすからです。
ラーメンの鍋がふきこぼれるのはでんぷんが泡を丈夫にするからで、火を弱めるのがいちばん確実です。
まとめ・参考メモ · The Conversation「木のスプーンでふきこぼれは防げる?」(CQ大学). でんぷんや牛乳のたんぱく質が泡を包んで積み重ならせると説明している。木のスプーンは冷たく乾いている間だけ効き、熱くぬれると効果が薄れる。
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